新潟中越沖地震で被災した柏崎地区。
震度6強の地震は、多くの建物を崩壊させ、そして尊い命を奪っていきました。
被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
8月4日、うらぱんだ(私の友人)と一緒に柏崎にボランティアに行ってきました。
そのときの状況や前回の中越地震との比較、そして感想です。
(カテゴリーが中越地震になってますが・・・同じ地震関連ということで。けっこう長文です。)
< 事前準備 >
前日にボランティアセンターに問い合わせたところ、9時までに現地入りしてもらい、指示をまってほしいと言われました。
(ボランティアセンターのHPはこちら)
また、車でのボランティアはできるだけ避けてほしいとの記述があったので、電車で行くことに。
長岡から出発するとなると、朝6時45分位の電車のみ。
眠い目をこすりながらの出発となりました。
< ボランティアセンターへ >
駅からボランティアセンターまで歩くと約20分くらい。
バスも出ているので、そちらを利用してもいいでしょう。
(バスはボランティアセンターのまん前の営業所に止まります。)
到着するまでにあちこちを見ましたが、途中でも倒壊した家屋が何件かありました。
報道では原発の方に集中していますが、やはり被害は大きいです。
調査済みの張り紙がそこかしこに張られていました。
< 受付 >
ボランティアセンターに到着して、まずは受付。
このとき、自分の持つ資格なども記録します。
看護士、福祉免許、大型特殊車両etc…
資格をもっていると、やはりいざという時に役立ってくれます。
受付待ちで並んでいた際に掲示板などを見ていたのですが、避難所が昨日(8月2日)に閉鎖になり、物品支給もその日で終了となっていたとのことをそこではじめて知りました。
中越地震のときはいろいろと報道されていたのですが、前回の能登地震も今回の地震も一般報道がとても少ないように思えます。
ただ、もう少し現状の復興状態については報道があってもいいように思いますが…私があまりテレビを見てないだけなんでしょうか?
< マッチング >
受付を済ませると、マッチングが行われます。
ボランティアの依頼内容によって必要な人数とそれにあわせた人材を割り振る作業です。
「粗大ごみのごみだしで、男性4名お願いします。」
「部屋の片付けで、女性2名、男性2名お願いします。」
などなど。
今回行った時は主に片づけがメインでしたが、看護士、福祉免許を持った方がよく呼ばれていたように感じました。
老人のお世話や、病気の方のお世話などをする場合も多かったのでしょう。
やはり資格などを持っていると役立つ場面がありますね。
このマッチング、以前の中越地震でも同じようなものはありましたが、今回はより組織的に動いているように思えました。
以前はあまり細かい内容の指示などもなく、
「あそこに行って現場の指示を聞いて!」
といったアバウトな指示も多かったため、実際の所、結構トラブルもありました。
やはり、以前の教訓が生きていると思いました。
また、呼び出しの中で意外と多かったのが、車で来た人への依頼。
車でこないように…との記述がありましたが、実際には車が不足していたように思えます。
ボランティアの人を運んだり、荷物を片付けるのにやはり車は有効です。
ただ、中越地震の時、ボランティアで来た車の違法駐車によってトラブルが発生しているのを何度か見かけました。
ボランティアを頼むほうとしては、そういったトラブルを抱えこむことを避ける意味もあると思います。
善意のつもりできたのに、よけいな問題を起こしてしまっては本末転倒ですしね。
事前に仕事量がわかれば、必要な車の台数を告知して…などもできるかも知れませんが、実現は難しいでしょう。
実際、災害時はいろいろなことの対応に追われて、お願いするほうも予定通りに行動できないことも多いですし。
(これは中越地震のときの経験です。)
今のところは、被災地に近い人や要請がない限り車で行くのは避けたほうがいいと思います。
とりあえず事前にボランティアセンターに確認してみるのがベストかもしれません。
< いざ、ボランティアへ >
今回、私とうらぱんだは、他の男性メンバーとともに荷物の移動とごみ出しの依頼を引き受けました。
依頼内容と現地までの地図をまとめた紙を受け取り、リーダーを決めます。
とりあえず、今回は私がリーダーをやらせていただくことになりました。
そして、ボランティアを割り振っている人から依頼内容を再度確認。
また、このときにボランティアとしての心得の説明がありました。
「被災者の立場で」
「”やってあげる”ではなく、”やらせていただく”の心で」
「コミュニケーションを大切に」
などなど。
至極もっともなことなのですが、悲しいかな言わなければわからない人も実際います。
被災者としては、いろいろとしていただければ非常に助かりますし、すごく感謝します。
ただ、「やってあげる」の気持ちの人のボランティアというのは、まず間違いなく見抜かれます。
(被災した後は、ほんとに恐ろしいくらいに敏感になってます。)
これは実際に中越地震であったことですが、どこぞの団体が炊き出しに来たときのこと。
そのとき、すでに数件の団体が炊き出しに来てくれて、その対応でボランティアや地元の人は大忙し。
後できた団体の対応まで手が回りませんでした。
そうこうしているうちに、その団体のリーダーらしき人物が、
「せっかく来てやったのにいったいどういう対応なんだ!」
と怒鳴り始めました。
あわてて地元の人たちが対応し、おなか一杯なのを無理して数人の有志が食べたということがありました。
被災者からすれば「いやぁ、もういいよ~」ということもありますが、弱い立場であるが故になにも言えません。
これって…ボランティアですかね?
ここまで極端な例は稀です(実はそうでも無かったり…悲)が被災者のことを考えているつもりで、自分のことしか考えていない人は意外と多かったりします。
自分が切羽詰っているときは、他の人に対して余裕なんて持てません。
(私も自分で気づかずにそんな状況でボランティアをしていたことがありました。後悔したことも数知れず…。)
是非、ボランティアをやろう!と思っている人は、はやる気持ちを抑えて「自分に今余裕があるか?」ということをちょこっと考えてもらえたらなーと思っています。
結局はお互い負担が一番軽い状態で行われるのがベストだと思います。
やっぱりそれがお互いにとって気持ちいいでしょうし。
ボランティアの説明を受けながら、ちょっといろいろ思い出しました。
ただ、こういうところもきちんとフォローする体制になっていたことにちょっと驚きました。
このあたりも前の地震の時の教訓が生かされていると思います。
< 現場での作業 >
今回の依頼でお伺いしたのは、おじいさん、おばあさんのお二人のお住まいでした。
家の中に上がらせていただきましたが、やはり大きな被害を受けていました。
柱の継ぎ目に隙間ができ、土台からずれてしまったそうです。
また、外の石壁はすべて倒れてしまっていました。(これは前回ボランティアで片付けてもらったそうです。)
「でも、けが人が出なかっただけでもよかった。」
とおじいさんはいっていました。
玄関に入ったとき、震災後に実家に初めて入ったときの感覚を思い出しました。
うーん。なんていうんでしょうか。
悲しいのだけれど、泣きたいわけでない。
誰が悪いわけでもない。ましてや自分も何もしていない。
なのに訳のわからないまま大変なことになっている。
なんだか、”あぁーーーー”と肩を落として長く息を吐くような感覚。
地震などの天災にあうっていうのは、やっぱりそんな感じなのかなぁ、と改めて思いました。
いやいや、こんなところで気落ちしている訳にも行きません。
被災している方はもっと大変なんですから。
さて、気を取り直して実際の作業内容を確認しました。
大きな荷物を2階から運んだり重い荷物を運んだりする作業をお願いされました。
腰を痛めてしまったそうで、大きな荷物はちょっとつらいんだとか。
やはり、こういう作業は人手がないとどうしようもないですからね。
この時に思ったことが一つ。
ちょっとした道具は持っていったほうがいいです。
訪ねたお宅で用意されていればいいのですが、被災して家の中がぐちゃぐちゃになっていた場合は、探すのもままなりません。
とりあえずあったほうがいいと思ったのは、
・+-のドライバ(家具などをばらすときに必要)
・ナイフ(なにかと使える)
・ペンチ(ドライバなどで回らないときなどに使用)
・ペンとガムテープ(荷物の移動先や何が入っているかを示すのに使ってみたり)
これくらいならウエストバックとかに入れて十分入ります。
ウェストバックの中に飲料水なども入れておくのもいいかもしれません。
ボランティア内容によっては必要ないかもしれませんが、家の中の片付けの時は何かと役立つと思いますよ。
これからボランティアに行こうとしている方がいたら、検討してみてください。
大きな荷物だったものの軽かったおかげか、スムーズに片付けは進みました。
お昼になったので買ってきたお弁当を食べていると、お味噌汁とトマトをいただきました。
疲れた体に沁みる沁みる。いやぁ、ほんとにおいしかったです。
しばらく休んだ後、午後の作業にかかりました。
片づけをやっている際に、おばあさんが
「こうしてみているといろいろと取っておきたくなっちゃうのよねぇ。でも、使わないんだけどね(笑」
といっていました。
これ、ほんとによくわかります。
いろいろと手に取りながら、思い出話などをしてもらいました。
こうして作業しながらいろいろお話を聞けるのも、とてもいいことだと思います。
ここで、ちょっとお願いがあります。
もし、これからボランティアでお手伝いをしようと思っている人は、張り切りすぎないように気をつけてください。
張り切ってお手伝いにきたのだから、テキパキやってさっさと片付けよう!と思うかもしれませんけど、その前にちょっと様子を見てください。
一気に片付けたいからちゃっちゃとやってほしい!という人ももちろんいるので、そういうときは是非とも張り切ってください。
ただ、片づけで疲れている方もいます。
被災している時は、にこやかにしていても気持ちに余裕が無いことがあります。
あまりテキパキと片付けすぎて、「次はどうすればいいですか?」とガンガンいってしまうと、被災者の方が参ってしまうこともあるので気をつけてください。
(前の地震の片付けのときに「うれしいがぁけど、参ったてぇ」と言っていた人が少なからずもいました。でも、ボランティアの人には言えませんからね…)
もし、
「あわてなくてもいいよ。」
と声をかけられたら、そのとおりにゆっくり作業をやってみてください。
何か話しかけられたら、少し手を休めてお話を聞いてみてください。
いろんなところから来てくれた人たちとお話するのを楽しみにしている人もたくさんいます。
「被災して辛い中でもよかったことは、いろんな人と知り合えたこと。」
うちの地元の多くの人が言っていました。
ボランティアの心得にもありましたが、やっぱりコミュニケーションは大事ですね。
そして、午後は1時間ちょっとで作業は終わりました。
仕事も片付いたので、最後に休憩してから帰ろうということになり、お茶をいただいたときのこと。
地震の時の話や、今後のことについてお話を聞くことができました。
昼間だったので居間にいたときに、大きく揺れたとのこと。
とにかく怖かったそうです。
幸い、揺れ対策にいろいろとしておいた(家具の固定やっつっかえ棒etc)おかげで怪我などは無かったそうです。
その日、おじいさんのほうは現地の世話役としていろいろと飛び回っていたそうで、おばあさんは一人で真っ暗な中で待っていたんだとか。
おじいさんのほうは近所やいろいろなところに声をかけたりしていたそうですが、そのとき皆がものすごく協力的だったなぁといっていました。
やはりいざとなれば協力するもんだ、と感心していました。
(ほかにもいろいろエピソードを聞いたのですが…ちょっと具体的過ぎるのでここでは避けます。)
あと、この家は取り壊すことが決まっているそうです。
9月くらいを予定しているそうですが、それまでにゆっくりと片付けるとのこと。
取り壊した後に、同じ場所に家を建て直すと言っていました。
その間は近くに小屋があるそうなので、そこに住むそうです。
…穏やかに話をしていましたが、本当に大変なことです。
これから家を建て直すのにも費用がかかります。
中越地震の時、立て直す費用を捻出できなくて、泣く泣く村を出て行かなければならなかった人もいました。
同じような思いをする方が今回もいるかもしれません。
そんな思いをする人が多く出ないことを祈るばかりです。
< 帰り道 >
ボランティアの一人が車を近くに停めてあるとのことだったので、帰りは車で帰ろう、ということになりました。
その際、海岸線を通りましたが駐車場などはそのほとんどが自衛隊の基地となっていました。
規模は中越地震のときよりも多く集まっているように見えました。
市内ではそこかしこでガスの工事が行われており、急ピッチで復旧がすすんでいるのがわかります。
大きな段差ができているところなどは少なかったようにみえました。
あと、震度が大きかった割には道路の被害が少なかったように見えました。
物流があまり滞らなかったのは、そういったおかげだったように思えます。
ちょっと気になったのは、地震で倒壊した家とぜんぜん被害を受けていない家が隣同士だったりしたこと。
倒壊したほうは片付けをしたりしているのに、被害を受けていない家ではすでに普通に生活をしていました。
今はまだ、感覚が麻痺している状態だと思うのですが、時間が経つにつれていろいろと問題が出てきそうだな…と思いました。
仕方のないことわかっている。
でも気持ちが納得できない。
「なんでうちだけが…」
「うちはこんなに苦労しているのに…」
理屈じゃないんですよ。
やっかみ、妬みとか…きれい事だけじゃ済まされない暗い部分もたくさんあります。
たぶん、表にはなかなか出てこない問題だと思います。
中越地震の時も、大なり小なり理屈じゃない部分でのトラブルもあったそうです。
ボランティアに行った人たちにそういうことを話す人もいるかもしれない、とボランティアセンターの人が言っていました。
一時的に来た人であれば、かえって気兼ねなく話せたりするものです。(と言っていました。)
暗い話や辛いことを黙って聞いて、すっぱりと忘れる(←これ大事)のもボランティアだと思います。
ちょっと遠回りしてボランティアセンターに到着。
最後にリーダーが作業内容や状況を報告して終了です。
今日は1日で一箇所でしたが、状況や時間によってはボランティアセンター2~3箇所まわることもあるそうです。
今回のボランティアはこんな感じで終了しました。
< 最後に >
地震の復興には時間がかかります。
山古志のほうもまだ家の建築を行っているところもあります。
まだ、家を建てる地盤のところを整備しているところもあります。
実家の方はようやく家の周りの改修がついこの間始まったばかりです。
3年経過しましたが、まだこんな状態なのが現状です。
中越沖地震で被害を受けたところは、本当にこれからが大変です。
これから起きてくる問題もあるでしょう。
できるだけ早い復興を祈るばかりです。
最後に。
伺ったお宅での作業終えて帰ろうとした際、「これ使ってね」とタオルをいただきました。
冷たい麦茶やお菓子などをいただいたばかりでなく、こんなお気遣いまでいただいて…
いやぁ。お手伝いをしにいったはずなんだけどなぁ(^^;
お伺いした家のおじいさん、おばあさんには本当に良くしていただきました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
ありがとうございました。